伝統の技術と熟練の業がつくる畳

有限会社 横手製畳/YOKOTE

 日本伝統の床材である畳。一般的には下地となる畳床(たたみどこ)、い草を編みこんでできた畳表(たたみおもて)、畳のフチにあたる畳縁(たたみべり)の3つに分かれており、平安時代には階級によって畳縁の色や模様が定められていたという。かつては藁床と呼ばれる稲わらを重ねて圧縮した畳床に、い草の茎を乾燥させて織り込んだ畳表を縫い止めていたが、現在は畳床・畳表の素材・機能性・デザインともバリエーション豊かに変化している。その畳を愛し、伝統の技術をさらに進化させている有限会社 横手製畳の富田信正さん。畳の構造について語りながらも手際よく作業を進める。生み出される畳は寸分の狂いもなく、熟練の業を感じさせる。

畳の素材

 畳には部屋の余分な湿気を吸い、乾燥時には適度に放出するという調湿機能が備わっている。しかし、住宅事情の変化によるカビやダニの問題に加え、畳表の傷みなど取り扱いが難しく、洋式の家が増えた現在のライフスタイルに合わないなどの問題もあった。そのため現在は耐久性の良い木材チップを圧縮した畳床や断熱性に優れたポリスチレンフォームなどの素材を組み合わせて利用したものが主流だ。畳表も従来のい草はもちろん、和紙を編み込んだりポリプロピレンとカルシウムを融合した新素材を用いたものも多い。「用途に応じてさまざまな素材を組み合わせることができます。福祉施設では水洗い可能なものを、家庭用では汚れが落ちやすいものや耐久性のあるもの、床暖房に対応したものなど今では一口に畳と言ってもたくさんの種類があります。お客様がどんな環境でどのように使うのかを聞き、それにより大きさや畳の厚さ素材を変えていきます」と富田さん。床暖房用の畳は熱を伝わりやすくするために従来の畳より格段に薄く、耐久性を高めるボードを挟む。普段は畳表で隠れて目につかない畳床も時代とともに進化している。

カラーバリエーションも豊富に 和モダンなくつろぎの空間

 フローリングの部屋にあっても違和感のない、モダンな畳も登場。カラーバリエーションも豊富(写真①)で、組み合わせて市松模様を浮かび上がらせオシャレなコーディネートを楽しむことができる。洋室にもカラーの畳を取り入れることで、和モダンなくつろぎの空間が生まれる。写真②は同じ色の畳だが、並べ方の向きによって色が変わって見える。

“お客様の要望に応える” お客様のための技術屋でありたい

 畳が生み出す住居空間は日本人の心にすっと馴染む和みの空間。フローリングの床とはまた違う、優しい風合いの畳には日本の伝統と職人の技術が織り込まれている。和室の象徴であり日本人の生活に無くてはならない畳だが、現在では洋風の生活が多くなり、畳の職人も昔と比べ随分と少なくなったという。「畳も欠点を補い、改良しながらよりお客様が使いやすいものへと進化してきています。畳としての伝統と基本を守りつつ、現在の多様化したライフスタイルにあわせて、お客様の要望に応える。お客様のための技術屋でありたいですね」と富田さん。伝統の技術を守り、より良いものを作りたいという飽くなき探究心を持つ熱き職人がここにいた。

有限会社 横手製畳
リース畳・化学畳・畳工事一式・内装工事・内装仕上げ業(般-3)第9481号
住所/秋田県横手市横手市赤坂字山崎21-1
電話番号/0182-36-2017